【地図】佐賀・嬉野温泉の至宝【橋爪菓子舗】— 歴史と格式が織りなす和菓子の真髄 ふくさ包み

佐賀県を代表する温泉地、嬉野温泉街に店を構える「橋爪菓子舗(はしづめかしほ)」は、創業から一世紀を超える老舗和菓子店です。その歴史は古く、地元住民の日常から、遠方からの観光客への手土産まで、幅広いシーンで愛され続けています。橋爪菓子舗の魅力は、単に長い歴史を持つことだけではありません。その製法と店格には、日本屈指の格式が息づいています。

一世紀の歴史と宮内庁御用達の格式を受け継ぐ

橋爪菓子舗の歴史は1921年(大正10年)に神戸で始まりましたが、1954年(昭和29年)に現在の佐賀県嬉野市へ移転し、以来、嬉野の地で和菓子の伝統を守り続けています。

この店の最も特別な点は、初代店主である橋爪房一氏が、東京の宮内庁御用達の老舗「塩瀬総本家」で修行を積み、正式に暖簾分けを許されたという経緯です。多くの歴史を持つ老舗が移り変わる現代において、「塩瀬総本家」から暖簾分けを受けた店の中で、現在も暖簾を掲げ続けているのは、この橋爪菓子舗が唯一とされています。

この背景は、単なる歴史の長さ以上の重みを持っています。長きにわたり御所の御用を承ってきた格式高い店の製法と精神が、遠く離れた嬉野の地で今も脈々と受け継がれているのです。この格式と伝統こそが、橋爪菓子舗の和菓子一つ一つに深みと品格を与えています。

看板銘菓「丸房露」— しっとり、ふわふわの極上の口どけ

佐賀を代表する銘菓として知られる「丸房露(まるぼうろ)」ですが、橋爪菓子舗の丸房露は一線を画します。一般的な丸房露と比較して「しっとり」としており、「ふわふわ」と柔らかな食感が特徴です。その繊細な口どけは、古くからの伝統の技法が息づいている証拠です。

◆ 丸房露への飽くなきこだわり

橋爪菓子舗の丸房露の美味しさは、素材への徹底したこだわりによって支えられています。

  • 素材の厳選: 蜂蜜と卵を惜しみなく使用し、素朴ながらも滋味深い、上品な甘さを実現しています。特に卵は、丸房露の風味と食感を左右する重要な要素であり、厳しく吟味されています。
  • 独自の製法: 創業以来受け継がれてきた独自の配合と火加減により、他には真似のできない、しっとりとした柔らかな食感を生み出しています。この口どけの良さが、年代を問わず愛され、一日で1,000個以上焼かれる日もあるほどの人気を支えています。
  • バリエーション: 伝統的なプレーン味に加え、深いコクを持つ黒糖味の丸房露も用意されており、風味の違いを楽しむことができます。

この丸房露は、日常のお茶請けとしてだけでなく、帰省土産や大切な方への贈り物としても選ばれ続けています。

地元愛が生んだ新たな名物「佐賀まんまるカステラ」

伝統の味を守る一方で、橋爪菓子舗は地域の素材と新しい感性を取り入れた商品開発にも積極的です。その代表例が「佐賀まんまるカステラ」です。

これは、佐賀の「丸房露」と長崎の「カステラ」という九州を代表する二つの焼き菓子を、橋爪菓子舗独自の技術で融合させた新感覚の和洋菓子です。ふんわりとした生地の食感と、底に敷かれたザラメのザクザクとした食感のコントラストが楽しく、幅広い層に支持されています。その品質と話題性の高さから、将棋のタイトル戦である「王位戦」で棋士のおやつとして採用された実績も持っています。プレーンと、嬉野名産のお茶を使った嬉野茶味の2種類があり、手土産としても喜ばれています。

◆ その他の名物

  • 塩味まん頭(しおあじまんじゅう):
    お茶が練り込まれた落雁生地の中に、なめらかなこし餡を詰めたお菓子です。ほんのり塩味が効いており、餡の甘さが引き立ち、お茶請けに最適です。
  • 糸切茶羊かん:
    嬉野茶を贅沢に使用した羊かんで、地域色豊かなお茶の香りが楽しめます。

店舗情報

長い歴史と確かな技術に裏打ちされた橋爪菓子舗の和菓子は、嬉野温泉を訪れた記念として、また大切な人へ贈る特別な品として最適です。ぜひ、その格式ある味わいをご自身の舌でお確かめください。

  • 所在地:〒843-0301 佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿乙937−1
  • 営業時間:9:00~18:00
  • 定休日:水曜日
  • 電話番号:0954-42-1063

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