60歳以降に出てくるお口のお悩み「歯を抜きたくない

 

誰だって歯を抜きたくは、ありません。

できることなら、残したい。

私だって、同じ気持ちです。

だから、患者さんが「先生、歯を抜きたくないんです、なんとかして欲しい」

おっしゃられるお気持ちよくわかります。

しかし、私は「歯を抜かなかった場合、この方がどうなるか」ということを

きちんとご本人にお話する責任があります。

多くの方は(ほとんどです)、抜かないといけないと診断された歯を

抜かずにそのまま放置しておくことの恐ろしさをご存知ありません。

『歯を抜歯しなければいけないと診断されたが、どうしても抜きたくなかった

抜かずに治療してもらえる歯科医院を転々としているうちに鼻の部屋と口を仕切る硬い壁(骨)に穴があいてしまった』という患者さんの実例をお話します。

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※これはある患者さんの骨の模型です。右上に穴が空いている部分があります。

鼻の部屋と口を仕切る硬い壁(骨)に穴があいてしまっているのがわかります。

そしてこれは決して珍しいケースでは、ないのです。

「歯を抜歯しないといけないと診断された」でも抜きたくない

お気持ちはよく分かります。

そして、私の医院にも大変多くご相談に来られる内容でもあります。

人によっては、ご遠方から何時間もかけて

「ここなら歯を抜かずに治療してもらえるかもしれない」と思われ

ご相談にお越しになられる方もいらっしゃいます。

しかし

数件の歯科医院で「これは抜歯しなければいけない」

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診断された場合には、やはり当院でも「抜歯はまぬがれない」という

診断になってしまうことが、多いのです。

まず、なぜ歯を抜かないといけないのか、ということをお話します。

もし歯を抜かないと何が起こるのか?をどうか知って下さい。

私のところにご相談にお越しになれる方の

ほとんどが歯を抜きたくないということだけで誤った選択をされる方が多いのです。

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例えばよくテレビドラマでもありますが、何か悪い病気になった時に、その病気をどうするのか。

イメージしてみてください。

その悪いものを早く取るのか、取らないのか

取らずに他の方法があるのか。

他の方法をした時にどのような結果が起こるのか。

またその併用。

例えば化学療法なり薬でもってその悪い部分を小さくし、取る部分を少なくする。

これもいい治療かもしれません。

しかし、

治療というのはすべてご自身の体に対して行なうものです。

結果責任ということは聞こえがきついかもしれませんが、

最終的に必ずご自身がその責任を取らないといけません

将来のご自身が責任を取らないといけないのです。

その痛みや

その苦しみや

その不快さを

他人に代わってもらうことができないものなのです。

ですから今取りたいか取りたくないか、

ということと同時に

もし、取っておかなければ将来何が起こるのか

その将来起こった時にどのようなことを自分自身が受け入れなければならないかということをしっかりとその先生にお聞きになられてください。

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その上での判断になります。

もちろん専門が違えば、まったく同じ患者さんであったとしても言う事が変わります。

診断が違うからです。

治療方針が変わるのです。

ですからそのような重要な診断を受けられた場合には、いろんな専門の先生に聞かれるということはすごく大事なことだと思います。

ほとんどの多くの歯を抜かないといけないと言われたときには、何が起こるのか、是非知ってください。

歯を支えているのは骨なのです。

下の図でいえば

大根が歯、
黄土色部分が、です。

大根も顔の頭が見えているのは3分の1程度で
残りに3分の2は骨に埋まっています。

歯を抜かないといけない原因には、例えば虫歯とか歯周病とかがあります。

虫歯でもって悪くなった場合、

歯周病で悪くなった場合、

歯の神経を治療した歯で歯が割れてしまった場合、

このような場合には歯を支えている周りには骨があるのですが、

その骨が実は溶けてしまいます。

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骨が溶けるとはどういうことでしょうか。

よく分からないですよね。

歯の周りの骨が溶けるということです。

骨が溶けたら歯は支えられませんから歯が抜けます

つまりほうっておいても抜けてしまうかもしれません。

砂の山に棒が刺さっているイメージ、

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こんな感じで骨に歯が植わっていると思ってください。

砂の山に棒が刺さっています。

砂の山の周囲の砂をを少し削ったら砂が崩れます

何回か砂を除けていくと更に砂が崩れ、いつか棒が倒れます。

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その棒が倒れたら負け、みたいなゲームを昔されたことがあるかもしれません。

そんなイメージです。

骨がなくなれば棒は倒れます。

イメージしてみてください。

次に棒を2本、3本立てます。

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その間に砂があるわけです。

砂を除けていきます。

1本倒れます。

2本目の棒はどうでしょうか。

もちろん距離が離れていれば何ともないかもしれません。

しかし2本目の砂も崩れてますよね。

隣の歯の骨も溶けていくのです。

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そうすると何が起こるのか。

隣の歯も抜かないといけなくなることがあります。

「歯を抜かないといけない」と診断された歯があったが、

抜きたくなったし

特に痛くなかったし

食事もできていたので

そのまま抜かずに期間をおいていたら

隣の歯まで抜かないといけなくなった。

ということは実はよくあるのです。

骨が溶けるということはその場のその歯の骨だけが溶けるということではないのです。

骨は繋がっています。

隣の歯の骨まで溶かせます

では上の歯ならどうなのか、

下の歯ならどうなのか。

今は横に骨が溶けた場合の話しです。

上の骨が溶けた場合、上には何があるのでしょうか。

鼻があります、鼻の部屋があるのです。

鼻と口はそれぞれ単体であるものではなく

中で繋がっています

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頭蓋骨をご覧頂くともっとよくわかりますね。

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鼻とお口はこうして

繋がっているんです。

「歯を抜かないといけない」と

診断された歯を抜かずに置いておくと鼻の骨まで溶けていきます。

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※これはある患者さんの骨の模型です。右上に穴が空いている部分があります。

鼻の部屋と口を仕切る硬い壁(骨)に穴があいてしまっているのがわかります。

鼻の骨が溶けたらどうなるのでしょうか?

口と鼻は肉で繋がる状態になります。

その肉は良い肉でしょうか?

悪い肉でしょうか?

悪い肉ですよね。

ですからその悪い肉は除けないといけなくなる時期が来ます。

その肉を除けたらどうなるんでしょうか?

当然鼻と口には穴があきます。

小さい穴であれば自然にふさがります。

大きい穴であれば塞がらないですね。

穴があいたままになります。

通常は食べたものが喉を通り、食道に入り胃に流れていきますよね?

しかし

鼻の部屋と口の部屋を塞ぐ壁に穴が開いていたら

食べ物が鼻に入るんです。

食べたものが鼻に入る。

鼻から喉に伝わり食べてしまう。

と同時に鼻の入り口からも出てくる。

「食べたうどんが鼻からでてきてしまって困る」

イメージしたくないですよね。

実際にそんな方もいらっしゃいます。

介護の現場での実際のお話です。

お皿に頭を近づけて、姿勢を悪くして食べている方がいらっしゃいます。

実は中には食べたものが鼻から出てくるから、それを受けないといけない。

そのためにそのお皿を使っている方もいらっしゃる、という現実もあるのです。

全員が全員そういうわけではありませんが。

 

次に下側、下顎で水平でなく垂直に骨が溶けた場合どうなるのか?

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上の顎と違い、下顎には大きい神経、血管が通っています。

例えば腕を怪我した場合を想像して下さい。

ちょっと怪我した場合は血が簡単に止まります。

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大きく腕をバッサリと怪我した場合、血が噴水のように飛び出てきますよね。

ものすごく流れのいい大きい太い神経、血管というのが、奥深くにはいるのです。

下顎にはそういった大きい神経血管があるのです。

そのようなところに骨が溶け、バイ菌が血管の中に入ったら、何が起こるんでしょうか。

全身にばい菌が回ってしまいます。

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全身に口の中のバイ菌が回ってしまったら危険ですよね。

心筋梗塞で心臓で倒れてお亡くなりになられた方を心臓の中に何が詰まっているのか調べた先生がいらっしゃいます。

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詰まったから心臓が止まってしまったのです。

だから心臓病で亡くなられたのです。

詰まったものは何なのか?

いくつもの論文でその詰まったものの中から歯周病菌が発見されています。

口の中にいるはずの歯周病菌が心臓の血管で見つかった

こんな報告、論文がいくつも出ているのです。

どこから入ったのでしょうか。

歯周病、実は非常に危険な病気なのです。

それが大きい神経、血管のところまで流れ込んだら、大量の歯周病菌が口の中の菌が全身に回ります。

非常に危険なのです。

その責任も将来のご自身が取らなければいけません。

ですから

なぜ抜歯しないといけないのか?

今すでに歯の周りの骨がどこまで溶かされてしまっているのか?

この状態で置いておくと噛めないのは分かると思いますが、どんなことが起こりうるのか?

それがどういう運命をもたらすのか?

ということをぜひキチンとお聞きになり、ご理解になった上で

いつ歯を抜くのかというのを判断されるようにされたほうがいいと思います。

ただ今この瞬間のこれを何とか逃れたいという結果が

10年後のご自身が実は大きいものを背負わなければいけないということに直結してしまうことがあるのです。

歯を抜かないといけない

と診断された方は

まずは、ご相談下さい。

抜かずにすむ場合も、もちろんあります。

やはり抜歯はまぬがれない場合も、あります。

現状をきちんとお知りになる、それが最も重要なことです。

 

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